バンド維新2021

新作の発表機会としては4年ぶりに開催されました。2017年の開催で「ひとまず一区切り」ということになっていましたが、2018年には過去の作品を振り返る「10年間のバンド維新に敬意を表して」という自主公演が開催され、早くも2020年に再開が決定したもののコロナ禍で中止、あらためて今年の開催、ということになりました。

正直なところ「ひとまず一区切り」となった時にもう二度と行われないかも知れないという危惧もありましたが、その志はずっと続いていたようで一安心です。

守屋純子/Waltz for Gil Evans
演奏:静岡県立浜松北高等学校

篠田大介/星の彼方へ
演奏:浜松市立積志中学校

森田花央里/Can You Be a Rock Star?/Harmony of You and Me
演奏:静岡県立浜松湖南高等学校

斉木由美/Dialogos-Distance
演奏:浜松聖星高等学校

服部克久/星への誘い
演奏:浜松市立細江中学校

服部克久/Tango Appassionato
演奏:浜松市立開成中学校

桑野聖/おかえりゴブリン
演奏:浜松市立高等学校

伊藤康英/オペラ「ミスター・シンデレラ」によるパラフレーズ
演奏:浜松市立開成中学校

北爪道夫/Concertino for Piano and Wind Ensemble
演奏:浜松日体中・高等学校吹奏楽部

個人的な白眉は北爪作品。作曲者ご本人も解説していたように、ストラヴィンスキーの《管楽器のシンフォニーズ(Symphonies of Wind Instruments)》のスタイルを拝借したもの。(余談。伊藤さんも北爪さんもこのストラヴィンスキーの作品は「シンフォニーズ」あるいは「シンフォニー集」であることを強調していた。激しく同意。邦題は決して《管楽器のための交響曲》ではない。)3つの異なる、しかも 72 – 108 – 144 という等比性のあるテンポの曲想がモザイクのように連なる。Fl 2 / Cl 2 / As / Ts / Tp 2 / Hr 2 / Tb 2 / Euph / Tuba / Timp / Pf という16名で演奏可能な編成。

ストラヴィンスキーはこの作品の元になったコラールをドビュッシーの追悼のために書いた。最後の挨拶でバンド維新に作品を提供し、物故された作曲者の名前を読み上げた北爪さんはそのことを意識していたのだろうか?

musicabella

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